前職のコンサルタント時代、超一流企業のキャリアを積んできた方々とたくさんの仕事をさせていただきました。そこで疑問に感じたのは、「生き生きと働いている人が非常に少ない」という現実でした。夕方になると帰る時間を気にする人があまりに多いということ。それは私にとって大きな衝撃でした。その原因が一体どこにあるのか?
私の最初の結論は「就職活動時に自分自身のことを見極めることなく就職してしまうから」でした。ところが、就活支援などで大学生と接してみると、どうも就職活動が根幹ではないということに気付きます。
知識はあるものの自分の将来や強みについて質問されても答えられない、’自分の頭で考え、自分で目標設定し、実行する力’が非常に弱いということに気が付いたのです。
そこで思い出したのは外資系コンサルタント時代の海外研修でした。海外の人たちはアイデンティティがしっかりしているということです。
自分の得意なこと、苦手なこと、自分がどこで活躍していくのか、自分の夢を熱く語ることができる外国人。
それに対して、これらを全く語れない日本人。
これは「日本の教育に原因がある」と感じた瞬間でした。
家庭教師事業で見えてきた日本の教育の問題点
そこで始めたのが小中高の家庭教師事業でした。
家庭教師では子どもと一対一で接することができ、直接本人の深いところに入っていくことができ、同時に家庭というものも見ることができました。
しかし、この家庭教師を始めてみると自分自身について考える力を身につけるにあたり、それ以上に根深い、思い描いていたものよりもさらに深い問題を目の当たりにしました。それは、
1.公教育
2.教育ビジネス - 家庭教師、塾、個別指導
3.家庭 - 子どもの声、しつけ
3つの問題です。
お子さまの基礎学力は身についていますか?
私たちが考える公教育の最低限の役割とは、基礎学力をつけることだと思います。
個性が大切だとはいえ、小数や分数の計算、割合の概念、漢字といった基礎学力は小学6年生ならば知っておいてほしいものです。ところが、そうしたことを知らない子が私たちの教室にはよく来られます。
40人の子どもを一人の先生が束ねるのは本当に大変な仕事だと思います。公教育でも個別指導のサポートを手厚くいれたり、1教室20人学級を導入したり、根本的な解決策を打っていくべきだと私たちは思います。
教育は国の礎です。基礎学力の低下が叫ばれて久しいですが、私たちはこの問題に対して手を打てるところから進めていきます。
子どもの塾選びを真剣に考えたことはありますか?
いわゆる教育業界で仕事をさせていただき、何度も疑問に感じることがありました。
それは、
子どもの人生を背負っている立場にも関わらず、優先されるものが違うのではないか?ということです。
家庭教師業界で
家庭教師の派遣業を始めた当時に目の当たりにしたのは、料金が明示されていないことでした。
相手の出方を伺いながら、なるべく高い料金を提示するというお話を、お客様からよくお聞きしました。
また、結果へのコミットメントという観点からも疑問に感じることがありました。
ただ学生の先生を派遣するだけで、それ以降の結果には責任を持たないということが、業界の当たり前のように思えました。
先生の当たり外れ次第で結果が大きく変わる、時には子どもの人生が大きく左右されてしまうということを目の当たりにしたのです。
集団塾で
集団塾は、すでに勉強ができる子だけがついていけるカリキュラムになっており、ついていけない子は成績を上げることではなく、ただ通うことが目的になっているように思います。
当たり前の話かもしれませんが、集団塾の多くは合格至上主義になっており、合格実績に好影響になる子が主な対象になっているように思います。
私どもの考えでは、なかなか成績が上がらない子にこそ、優れた先生がつくべきだと思います。
個別指導塾で
個別指導で感じた疑問は、基本的には先生をあてるだけになっていることです。
子どもたちの特徴は本当に千差万別です。
・算数で計算はできても図形が苦手な子、
・すぐ手を抜こうとする子、
・ノートの取り方がとても雑な子、
・返事はいいけれどほとんど聞いていない子、
・家に帰ると全く勉強をしない子 など
個別指導では、それぞれの子どもの科目の得意不得意だけではなく、個性や性格にあった指導をしなくては、結果は出せないと思っています。
ご家庭で子どもの声に耳を傾けていますか?
塾選びは子どもとのコミュニケーションから
保護者の方が子育てをするにあたり、子どもをどうしたいかがはっきりしていないことがよくあります。
例えば、ただ闇雲に大手塾に通わせるだけで、子どもがついていけなくなるケースです。
このようなご家庭に多いのが、自分の子どもの性格や得意不得意に合わせないで、周囲の評判だけで塾や家庭教師を選び安心してしまうことです。
大手の集団塾に通わせていて、子どもがカリキュラムについていけていないにも関わらず、そこに気付けず、無意味な授業を受け続け、子どもの苦しみに気付いてあげられないケースをよく耳にします。
子どもが望むことを、親が本当の意味でのコミュニケーションを通じて理解してあげる、こうしたことができないことが、親子ゲンカの絶えない原因になっているようです。
'子どものしつけ’は家庭学習や成績に直結します
しつけ面は家庭学習と直結します。例えば、このような子どもたちが当たり前のようにいます。
・お弁当箱を忘れて帰ったまま、何日も取りに来ない。
・自分の荷物を所定の場所に納めないで、床に散らかしたままにしてしまう。
・挨拶やお礼を言わずに帰ってしまう。
・ひじをついて授業を受けている。
・筆記用具を何度も忘れてきてしまう。
家で決められた分量をコツコツ毎日学習するためには、こうした日々の習慣が身についているかどうかが非常に重要です。
教育業界と家庭とのミスマッチの行き着く先
家庭内の問題が表面化してしまったのが不登校です。
不登校の原因は非常に複雑で一元化することは難しいですが、家庭内のコミュニケーションやご両親の子どもとの関わり方が原因だったというケースがよく見られます。
子どもが望んでいることは受け止めないで、親が一方的に価値観を押しつけた結果、子どもの精神的な体力が底をつき、動きたくても動けないという症状に陥るようです。
子どもたちにとっても、自分の意思をわかってくれる人が周りにいないことは非常に生きづらいことです。
どうやって子どもたちとコミュニケーションをとるべきか、
家ではケンカばかりで精神的につらくなってしまった子どもたちの本音を拾ってあげたい、
自分たちが培ってきた経験やスキルを活かして、
少しでも家庭内で悩んでいる子どもたちの力になりたいと思っています。
私どもは教育を通じて、”できる限り多くの人に幸せな人生/楽しい人生を送ってもらいたい”
という想いのもと社会への貢献を続けて参ります。